CINEMA 4DのGI設定最適化手順

今回紹介するCINEMA 4D R15のGI設定最適化の手順はできるだけ単純化したものだ。そのため、これで対処できないシーンやオブジェクト単位での最適化が必要なケースもある。そうしたケースまで含めた対処方法は、コンノヒロムさんの書いたCINEMA 4D 基礎チュートリアルCINEMA 4D 建築CGテクニックを参考にしてほしい。



イラディアンスキャッシュ+ライトマップの最適化手順

最初のシーンは、天井のジオメトリライトの間接照明だけというGI的に厳しいのシーン。

WS000009

テスト開始の設定は、以下の値で始める。

GI_settings_01

ただし、ライトマップのサンプルサイズは、シーンのサイズによって異なる。このサイズの目安は、ボロノイ分割のセルの大きさが認識できるくらいのサイズすること。今回のシーン場合以下のサイズ感で。

GItest_LMcell

これでレンダリングしてみる。すると、天井部分に光漏れがしているので、ライトマップのサンプルサイズを大きすぎるので、まずはここから調整していく。

GIresult01

サンプルサイズを3cmしてもまだ光漏れしているので、1cmまで小さくしてようやく消えた。パス数も調整したいが、GIのサンプル数が適正でないと、アーティファクツが多すぎて最適化できないので、ライトマップの設定はサンプルサイズまでにしておく。

GIresult02

次は、GIのサンプル数の調整。まだ全体にモヤモヤとしたアーティファクツがあるので、サンプル数を増やす。一般タブにあるサンプルが中(精度75%)だったので、サンプル精度を100%にしてみるが、これでも消えなかった。この時のサンプル数を調べると736だったので、カスタムサンプル数にして値を倍の1500まであげたところ、フラットな部分のムラは解消された。

GIresult04

かなり良くなってきたが、細かい凹凸ところを見ると影漏れが発生している。影漏れの原因の多くはライトマップのパス数が足らないことのため、パス数を10000から40000に上げたところ解消された。最終レンダリング時間は4分52秒。

GIresult05

以上で、イラディアンスキャッシュ+ライトマップの設定の最適化はOK。ただ、一部だけどうしてもアーティファクツが消えない場合など、イレギュラーなケースの対処法については、コンノさんの書籍などを参照すること。

イラディアンスキャッシュ+イラディアンスキャッシュの最適化手順

こちらは単純です。イラディアンスキャッシュを中にして、スクリーンスケールはオフにして、一般タブのサンプルは中からスタート。あとはひたすらアーティファクツが消えるまでサンプル数を上げるだけ。

ただ、今回のような光源が小さいシーンで、セカンダリもイラディアンスキャッシュの場合サンプル数が増えてくると計算に時間がかかる。今回の場合サンプル数を1000にすると16分以上計算しても、プレパスも終わらなかった。こうした場合は、<GIエリアを個別サンプリング>と<空/スカイを個別サンプリング>をオフにすると計算が早く終わる。オンにした時よりもサンプル数を上げる必要がある。今回のシーンでは1000だとまだアーティファクツがあったので、4000まで上げたが4分13秒でレンダリングは終了した。なお、最初のライトマップでは個別サンプリングをオンにした状態で4分52秒だったが、サンプル数4000、個別サンプリングをオフにした場合、3分34秒で終了した。

なお、サンプル数をあまり必要としないシーンでは個別サンプリングをオフにしてもクオリティが落ちるだけなので、注意が必要。

GI設定をシーンの最適化を行う

スピードだけを考えると、ライティングそのものを最適化したほうが、早くてきれいな結果が得られることも多い。今回のシーンなら間接照明の開口部にエイアライトを仕込み、ジオメトリライトの明るさを調整すれば、サンプル数は256くらいに抑えられ、レンダリング時間も半分程度(2分43秒)、よりクリーンな結果が得られる。

アーティファクツは、小さい光源で光を回すような場合に発生しやすいので、直接光ができるだけ広範囲に当たるように調整すれば悩まされることは少ない。

GIresult06