CINEMA 4DのGIの設定について覚書
目次
シーンの作成は丁寧に
CINEMA 4D R15のグローバルイルミネーションのイラディアンスキャッシュは、以前のバージョンに比べると入り組んだところのコンタクトシャドウやGIエリアライトの影はずいぶん綺麗に出るようになったが、設定をちゃんとしていないとすぐにアーティファクツがでる。次の画像はレンダリング時間もGIの設定も全く同じ。しかし、どう見ても下の画像が汚い。
設定の違いは、左上にある蛍光灯の発光マテリアルにGIエリアライトをオンにしているかどうかだけ。たったこれだけでクオリティに大きな差が出てくる。設定は注意が必要。特にGIエリアライト(ジオメトリライト)を使う場合は注意すること。
ライトマップは光漏れがしないシーン作りを心がければ比較的使える
プライマリにイラディアンスキャッシュ、セカンダリにライトマップを使うGI設定は、IR+IRに比べスピードが早いケースが多いが、扱いに注意が必要。ライトマップは、マニュアルにも書いてあるが光漏れがする。
下の例では左は壁を板ポリゴンになっていて壁の裏に直接太陽の光が当たっている。右は壁の厚みをモデリングしている。そのため、左の壁の四隅で光漏れ(ライトリーク)が発生している。
特にポリゴンの裏に強い光がある時に発生しやすい。しかし、この特性を知っておけば、モデリングやライティングの段階でそれを意識しておけば光漏れを抑えることができる。
ライトマップのサンプルサイズとパス数は適正に
ライトマップのサンプルサイズとパス数は重要。サンプルサイズが大きすぎるとやはり光漏れがする。また、サンプルサイズが適正でもパス数が少ないとディテールがちゃんと出ない影漏れも発生する。
ライトマップの<ラジオシティマップを構築>はクオリティとスピードのトレードオフ
ライトマップの設定には<ラジオシティマップを構築>があるが、これがオンになっているとレンダリングのスピードがアップする。ただ、微妙にアーティファクツが発生するので注意が必要。下の画像を見ると、TVボードの中と天井に微妙にモヤモヤとしているのがわかる。しかしレンダリング時間を比べてみると、ラジオシティマップがオフの場合は2分45秒で、オンの場合は49秒です。オンにしたほうが3倍以上早くなっている。もちろんこのスピード差はシーンによって変わるが、シーンによってはオンにしたり、テストレンダリング時のみ鬼にするという使い方もできる。
ただし、カメラアニメーションの場合少し状況が変わる。いろいろなテストした結果、下図の通り、1フレ目は、オンの時で5分40秒、オフで11分20秒とレンダリング時間に大きな差があったのですが、続けてレンダリングすると3フレーム目当たりからオンでもオフでも、数秒程度の違いしかない結果になる。なので、ライトマップを使ったカメラアニメーションをする場合は、<ラジオシティマップを構築>をオフにすることを品質の面からもおすすめする。
カメラアニメーションのレンダリング結果
悩んだらイラディアンスキャッシュ
ライトマップは、前述の通りライトマップは意外に落とし穴があるので、困った場合はセカンダリもイラディアンスキャッシュにしたほうがいい。ライトマップに比べると時間がかかるケースが多いが、適正な設定を探すためにテストレンダリングを繰り返すことを考えると、変な落とし穴が少ないイラディアンスキャッシュのほうが結果早く終わる場合も多いだろう。